「鬼滅の刃」のおもしろさを徹底解明 中編

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こちらの記事は「鬼滅の刃」のおもしろさを、徹底的に読み込んだ私の独自の視点で、感想や考察していくものとなっております。

本記事では、発刊されている漫画を半分くらい読んだ考察となっております。ネタバレ等含まれる可能性もございますので、閲覧には十分に気をつけてください。

以前にも記事を書いておりますので、併せてどうぞ!

「鬼滅の刃」のおもしろさを徹底解明 PART1「鬼滅の刃」のおもしろさを徹底解明 前編

わかりやすい設定や、キャラクターもたくさん増えて、より一層に魅力が引き出されてきました!

しかし、少しばかり炭治郎にとって都合の良いストーリーになってきた部分も出てきたので、そういった気になる点も説いていこうと思います。

鬼滅の刃 ここがおもしろい1: ストーリーがわかりやすい

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主人公である炭治郎が、鬼にされてしまった妹の禰豆子を元の人間に戻すために、鬼と戦っていくというストーリーはとてもわかりやすかったです。

また少年漫画として、話の流れがとてもスムーズだと感じました。
出てくる敵も、常に主人公よりも強い敵が出てくるので読んでいてハラハラしました。いきなりラスボスと遭遇したり、かなり強めの鬼と遭遇したりで退屈しませんでした。登場人物があっさり死んでしまったりするんで、生死をかけた戦いにすっかり引き込まれました。

鬼滅の刃 ここがおもしろい2: 少年の心をくすぐる設定

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難読漢字を使った名称や、階級、技名、異能、柱、十二鬼月など、これからどんどん強いキャラクターが出てくるといった期待が持てる要素がたくさんあって、それがとても読んでいて良かったなと思いました。

日輪刀の刀身の色などもそうですが、柱もそれぞれ違う型と呼ばれる技を持っていたので、キャラクターの個性がよく引き出せていたと思いました。

鬼滅の刃 ここがおもしろい3: 登場人物の過去を掘り下げられている

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鬼滅の刃では、敵にしろ味方にしろ、舞台から去る瞬間には、必ず過去を描写するタイミングが描かれます。

これが描かれることによって、キャラクターの魅力がより高められているように感じました。ただの悪役ではないんだということがよく伝わり、感情移入がしやすくなっています。

その後に、炭治郎がしっかりとその悲しい過去に共感するように供養するという優しさをみせてくれるので、炭治郎って本当に「良い子」なんだなと、いっそう炭治郎を応援したくなります。

鬼滅の刃 ここがおもしろい4: 好きなキャラクターが必ず見つかる

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鬼滅の刃では、キャラクターの個性がみんなとても強いです。
途中で仲間になる我妻善逸や、嘴平伊之助が特にそうですね。

とても良いキャラクターをしていると思いました。
また、柱と呼ばれる鬼殺の隊長たちも、ユニークな人間が多かったです。
見た目の特徴もしっかり描き分けられているので、きっとお気に入りのキャラクターが見つかることでしょう。

私は伊之助が好きでした!
猪突猛進って言葉が好きってのもありましたが、単純キャラは基本的に心がまっすぐなので好きです! あと顔が異常に美形というところもギャップがあっていいですね! 女の子に受けそうだと思いました!

ただ一つ、問題としてあげるなら漢字が難しくて名前が覚えにくいことくらいでしょうか。馴染みのない難読漢字を使われると、どうしてもそうなっちゃいますが、これは世界観によるものなので仕方がないのかもしれません。

鬼滅の刃 ここが気になる1: 都合が良い展開の連続

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鬼殺隊の誰も出会ったことのない鬼舞辻無惨と、いきなり遭遇できたり、人を食うことが当たり前の鬼なのに禰豆子だけ眠ることで生命を維持できます。また、鬼舞辻無惨の呪いというものを勝手にはずしていたり、偶然とか奇跡の連続が多すぎて、いまいち納得感が得られませんでした。

鬼滅の刃 ここが気になる2: 辻褄があっていない部分が多い

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鬼舞辻無惨が炭治郎の家族を狙った理由もよくわかりませんでした。

千年以上の間、誰も出会えないほど痕跡を上手く隠せる最強の鬼が、においをまき散らしてまで、雪山にある家を襲う理由はいったいなんなのでしょうか?

鬼舞辻無惨は、完全な鬼になるために「青い彼岸花」を探しているようですが、その手がかりが周辺にあったとでも言うのでしょうか?

日の型の継承者がいたという情報があったから襲ったという理由であれば、まだ納得できますが、とくにそういった記載は見当たりませんでした。

仮に、そうであったとしても、炭治郎の耳飾りに異様な怒りを感じ取っていることから、耳飾りをした人間が不在であることを不思議に思わなかったのでしょうか?

一瞬で壊滅させられるほどの力があるならば、炭治郎がいたふもとにある村も併せて襲わなかった理由はなんなのでしょうか?

納得感のある答えは見つかりませんでした。

そんな鬼舞辻無惨に、浅草でひょっこり出会えることができた炭治郎。
鬼舞辻無惨も炭治郎の存在を認識します。

鬼舞辻無惨は炭治郎の耳飾りを見て、強い怒りを露わにして、必ず殺すと決心していました。そう思うならレベルの低い鬼や下弦、上弦の鬼などに命令するのではなく、自分が行くべきでしょう。

部下たちには、柱や炭治郎を倒せない役立たずと罵り、自分はお部屋で薬をこねくり回すだけの臆病者です。一番最初に出会った時に、さっさと殺せば良かったのにと言ってしまえばそれでおしまいですが、それでは物語として成立しないので、そこを上手く辻褄をあわせなければならないのです。

ここでは私の好きなダイの大冒険で例えますが、大魔王バーンのように絶対的な余裕があり、遊び程度の感覚だったり、部下の成長のことを考えたり、最終的にいつでも殺せる、あわよくば家来にしてやろうと考えているとかなら納得できるんです。

ですが、鬼舞辻無惨にはそういった考えや余裕は一切あるようには見えませんでした。にもかかわらず、悪戯に部下を殺すだけのポンコツです。こいつの言うことなすことすべてがチープに見えてしまいます。つまり悪役としての魅力は皆無でした。

この鬼滅の刃では、そういった細かいところの辻褄合わせが上手くできていないと感じました。

鬼滅の刃 ここが気になる3: 投げっぱなしの設定

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鬼殺隊の階級がほとんど意味をなしていませんでした。
柱とそれ以外なのであれば、階級など存在する必要はありません。
最初の下弦の月と戦っている最中に、勝手に階級があがっていたことが判明したり、そもそもおまけ程度の階級の設定は物語にほとんど関連していません。

階級を書いたのであれば、もう少し物語に関連させるべきだと思いました。

刀剣の色の話もそうです。炭治郎が黒刀である理由がほとんど提示されていません。
日の型の剣士が黒刀だからという理由にするのであれば、黒刀は崇高であるべきではないのでしょうか? 偉大な剣士たちがこぞって、教えを請うた最強の剣士の刀の色を後世に残さないはずがないでしょう。数が少ないから出世できない色だと言われているのは意味がわかりません。炭治郎の特別さを煙に巻くために書かれた納得感のない設定でした。

まとめ

最後にいろいろと言いましたが、鬼滅の刃は間違いなくおもしろい漫画だと思います。ただ、私が言ったようなことを突かれてしまう穴を残してしまっていることは残念でした。鬼滅の刃は、アニメとなることで完成する作品だと思っています。最終巻が出るまで、もう少し時間がありますが、残りの巻数を読みながらその日を楽しみにしていたいと思います。