「カッコウの許嫁」が2020年におけるラブコメ最高傑作である可能性が浮上!

2020年も残すところ4ヶ月を切りましたが「カッコウの許嫁」という漫画、私の今年のラブコメ部門で、最高レベルにおもしろい作品だと思っています。

講談社のコミックス部門で異例の記録を打ち出していたり、どこかのタイミングで爆発的な反響がありそうな本作品をちょっと早めにピックアップ!

カッコウの許嫁ってどんな漫画?

「カッコウの許嫁」は、週刊少年マガジンにて2019年43号に読み切り作品として掲載後、読者アンケートの結果から同誌の2020年9号より連載が開始されました。

単行本の第1巻は、6月29日の5刷で累計発行部数が約10万部を記録していて、吉河美希先生の作品としては、ヒット作の「ヤンキー君とメガネちゃん」「山田くんと7人の魔女」を超えて最速の10万部到達となっています。

あの超人気作品である五等分の花嫁を凌ぐ売れ行きだそうです。2020年9月17日に最新刊の3巻が発売するのですが、すぐに50万部くらいは行きそうですね!この調子でいけば、すぐにでもアニメ化決定でしょう!

ストーリー

主人公である海野凪(16才)は、万年学年二位の優等生。自分が「取り違え子」であることを知り、互いの両親の計らいで面会日を迎えることになった。自分の本当の両親に会いに行く途中、ヒロインである天野エリカと出会い、私は許嫁と結婚したくないから彼氏のフリをしろと強引に頼まれる。ところが、エリカの許嫁の相手はまさかの凪だったということが判明する。その理由は、取り違えた相手が天野エリカだったからだ。だが凪には、すでに好きな子がいてそれは学年一位の瀬川ひろだった。これは天野エリカ、瀬川ひろ、そして、兄と血のつながりがないことを知った妹の海野幸と織りなす壮絶な恋の物語である。

カッコウの許嫁の記録の数々

新連載史上最速で雑誌の表示を飾る

週刊少年マガジンの編集者さんの話によると、「連載数ヶ月、15話目で表紙に掲載されるのは異例です。読者人気が高いため選ばれました」と仰ってました。

五等分の花嫁が1250万部売れていることがわかるとおり、週刊少年マガジンではどんどんラブコメが人気になっていっていることがわかります。読者のニーズもラブコメの方へ寄っているのかもしれませんね。

単行本が講談社史上最速の重版ペース

「カッコウの許嫁」は単行本の1巻の発売から、講談社史上初となる4週連続で重版を達成しています。2020年5月15日に発売されて、それから僅か45日で、10万部を突破してます。読者の期待がそれだけ大きいのでしょう。

講談社で異例の三冠達成

2020年8月20日、講談社は製造部数、純出荷部数、受注数と三冠達成をされたことを発表しました。正直、これがどれほどすごいことはわかりませんが、講談社の出している作品で、間違いなく勢いがあるものはこの「カッコウの許嫁」なのであろうことはわかりますね。

カッコウの許嫁はなぜ売れているのか?

作品のおもしろさとは別に、なぜこんなに早く売れたのかを見ていきます。
マガジン編集長の話では、「五等分の花嫁」と「カッコウの許嫁」は併売率が非常に高い。また、読者が好きなキャラクターを見つけて応援する構図は「五等分の花嫁」がヒットした過程と非常に似ていると仰っていました。

「五等分の花嫁」は大ヒットして、ストーリーを引き延ばされることもなく綺麗に終わりました。その作品と性質が似ているという点、およびラブコメ成分を求めていた読者たちにニーズがあったことが早期ヒットにつながっていると私も感じました。

カッコウの許嫁のおもしろさを考察

現在のところは主人公と主要ヒロインは三人ですが、二人のキャラクターの魅力を掘り下げてみたいと思います。

海野凪はちょっと天然だけどいいやつ

海野凪は、本当の父親がホテル王と呼ばれるほど優秀な人間である影響か、名門進学校で学年二位の学力と非常に頭が良いです。

そして、元ヤンの両親に育てられたため喧嘩もめっぽう強いです。天野エリカとの最初の出会いも、自殺しようとしていると思って全力で止めに行くなど、道徳的優しさなども備わっています。

でも、どこか抜けてる発言があったり、ヤモリに絶叫したりと情けないところもあります。このキャラクター造形が、とても良い魅力になっていると思います。

完璧すぎると感情移入がしにくいので、天然な部分や弱点を描写することで人間らしさを表現されていると思いました。

昔からラブコメの主人公と言えば、学力は平均とか全部ダメダメなイメージがありましたが、主人公が優秀なケースも増えてきましたね。「かぐや様は告らせたい」「五等分の花嫁」「ぼくたちは勉強ができない」など。

天野エリカはおバカで天真爛漫だけどいいやつ


天野エリカは、破天荒なことをしばしばしでかしますが感情豊かで裏表がなく、見ていて楽しいキャラクターです。凪が病気で倒れた時には不器用なりに看病していたし、凪が好きな人がいると聞いたときはその恋を応援したりと素直な良い子です。

インスタをやってるところなど、今時の女の子って感じがリアルです。
急にコスプレ姿で現れるところは、全然リアリティはありませんけど(笑)

むむぅーっとふくれっ面をする表情が頻繁に出てきますが、とても可愛いです。

新婚のような暮らしが描かれている

天野エリカは金持ちなので、豪邸の一軒や二軒は当たり前のように持っています。
そこで、許嫁になった二人を仲良くさせようと、天野の父親は二人を一軒家に住まわせます。

学校生活と私生活が良い感じに描き分けられていて楽しいです。
そこに凪の妹が押しかけてきて、三人で生活するようになったりと、学園ラブコメだけではなくホームコメディ的な要素もあって良いですね。

常にお泊まり合宿しているみたいな感じです(笑)

海野凪の好きな人が決まっていることが心配

ラブコメは、大きく分けて2つのタイプにわかれていると思っています。
二人の恋の行く末をそっと見守るタイプ(高木さん系)と、複数のヒロインがいて主人公と誰が結ばれるのかを予想したり応援したりする争奪戦タイプ(多くの作品がこれ)です。

タイプの話に関しては、細分化するとかなり亜種が存在するので、いったん2つで話を進めます。

で、主人公が好きな人が最初から決まっている場合において、八方塞がりになりがちなイメージがあります。最たる例がニセコイです。

「ニセコイ」は、発行部数1200万部と人気の作品ではありましたが、最後の展開に不満を漏らす読者がものすごく多かったです。どういう点が読者に納得してもらえなかったは、ここでは解説しませんが、とにかく作者様が試行錯誤した結果、読者の地雷を踏みまくってしまうという結末でした。

そんなストーリーを作ってしまったが故に、歪な不快感を読者に与えてしまいました。また、負けヒロインがあまりにも読者に人気がありすぎたことも問題でしょう。そのヒロインを選ぶ前準備が整いすぎていたことも問題でした。結果的に主人公が共感できない決断をした所為で読者は猛抗議が殺到したそうです。

一方で「五等分の花嫁」は、最後の最後までしっかりと謎を残しつつ、納得感のある決断を主人公がしたことで大団円でした。

まだまだ気が早いですが「カッコウの許嫁」は、この辺りをどうやってクリアされるのか楽しみですね。「ぼくたちは勉強ができない」は、新しい挑戦という感じがあって、逆に良かったんじゃないかと思います(笑)

「カッコウの許嫁」がラブコメ最高傑作であるまとめ

身も蓋もないですが登場人物のキャラクターがみんな可愛い、これに尽きますね。
またラブコメでは主人公の妹は、だいたいがマスコットキャラクター的な存在の場合が多いですが、血縁がないということで、けっこうぐいぐい来ます。そういう成分が好きな方は、かなり期待できるでしょう。

また、作者さんがすでに長期連載を経験されたベテランさんということもあり、安心して読んでいられます。シリアスな展開は今のところないですが、四人の恋がどのように進展していくのか楽しみです。

ラブコメが好きな方は楽しく読めると思いますので、こちらのマガポケで試し読みからでも良いので、ぜひ読んでください。