現代魔女の就職事情【感想】女の子が頑張る姿は尊いものだ!

この作品は「いまどきの女の子が助け合いを通じて魔女として成長していく姿が描かれたハートフルな漫画」です。

ストーリーや描写といった表現がしっかりしていて、一話、一話に込められた作者さんの想いや言葉が読者の心に突き刺さる残酷で素敵な漫画でした!
絵が可愛くて手に取った漫画ですが、考えさせられることもあってとても印象深かったです。
それでは紹介していきますね!

現代魔女の就職事情ってどんな漫画?

ミステリー作家の相沢沙呼先生が原作を、作画は新人のはま先生が担当されています。「電撃コミックスNEXT」で連載されていましたが、現在はすでに連載は終了しています。5巻で完結しているので、休日に一気に読まれることをおすすめします!

主人公である玉城禰子魔女の家系に生まれた女の子だったが15歳になったことをきっかけに、とある街にて魔女の修行という理由で1年間1人暮らしをすることになりました。禰子は一人で生きていくために何か自分にできることはないかと考えますが、魔女として未熟な禰子は魔法の力だけでお金を稼ぐことはできないので、自身のつたない魔法や肉体を使って、何でも屋のようなこと始めます。その過程で、街の住人の優しさや時には理不尽な扱いを受けたりしながら、人の夢というものにふれて成長していく物語です。

現代魔女の就職事情の1話:あらすじ

街に着いたばかりの頃は自分が魔女ということで特別委扱いされるかもと期待していた禰子でしたが、現代における魔女という立場は決して良いものではなく、逆の意味で特別扱いされてしまいます。そもそも、禰子は魔女の力は役に立たないものと考えていて、常日頃から普通の女の子になりたいと願っていました。

その上、街の住民からは冷たくされたり、財布を落としたりと散々な目に合って、何もかもに悲観していた禰子でした。そこに現れたのが同い年くらいの女の子、中島さんでした。禰子は中島さんに財布を拾ってもらって、おまけに家に泊めてもらえることになりました。そこで聞かされる中島さんの夢がパイロットでした、しかし親には猛反対されていて、中島さんは夢を諦めるために最後に魔法の力で空を飛びたいと禰子に伝えます。

禰子は魔法の力を使って中島さんを空へ連れて行き、自分がもっていない夢を持っている中島さんに夢を諦めるなと言います。そして中島さんから魔女の力で自分は救われたと言われ、禰子は嫌々だった魔女修行や魔女としての将来に少しだけ向き合う気になります

主要人物の紹介

玉城禰子

主人公の女の子です。自分が魔女であることにうんざりしていて、常日頃から普通の女の子になることを願ういまどきの女の子です。ドジなところもありますが基本的には優しくて正しいことを貫こうとする心のまっすぐな子です。魔女という自分に、夢を持たない自分に、夢を持てない自分に、苦悩します。その姿がタイトルにありますとおり、就職事情という僕たちが避けては通れない道になぞらえていて、とても感情移入ができるキャラクターとなっています。禰子は最終的に物語を通じて自分が何をすべきか、何がしたいかを見つけることができます。

柄にもなく可愛いを連呼しませんでしたが、安心してください!禰子ちゃんはとても可愛いです!金髪リボンの女の子になると、どうしても「ニセコイ」の桐崎ちとげや、「アイカツ!」の星宮いちごが思い浮かんでしまいますが、もうそれは仕方ないですよね!

中島菊花

一番最初に、禰子と友達になった女の子。ショートヘアでおっとりしてて、マイペースです。禰子に居住地を紹介したり、悩んでる禰子を励ましたりと、何かと世話を焼いてくれます。
物語の中では一番最初に禰子の魔法で救われた人間であり、同時に禰子を救った人間でもあります。

水峯弥生

神社の娘で禰子が住む居住地の大家にもあたります。性格はきつめで、長い黒髪と立ち振る舞いがなんとも凛々しい女の子です。料理がうまくて、禰子が食事に困っているところを助けます。なかなか禰子に心を開いてくれませんが、最後のシーンは泣けるものがありますよ。

この作品から伝わってくるもの

就職や夢という誰もが考えたことがある問題を、魔女の就職事情というファンタジーで楽しい世界観に置き換えられていて見事に書き上げられております。
夢を追いかけている人、就職に悩んでいる人、挫折を味わっている人など、またそういう経験がある人間にとって、この物語は大いに響くものがあると思います。

まとめ

この漫画は本当にしっかりと作られていると思いました。ところどころに込められた作者からの熱いメッセージ。そして丁寧な描写や可愛い女の子たちで彩られたこの漫画は、きっと知る人ぞ知る名作漫画として心に残ることでしょう。

ただ文字が少し多いので、頭を空っぽにして読める漫画ではないと思います。また、可愛い女の子を愛でたいという方にも合わないかもしれません(笑)
そういう方は、以前紹介しましたゆるめの漫画を読むことをおすすめします。

それでは!